【計算例あり】反応率(転化率)・選択率・収率の違いや求め方について解説!

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大学化学や化学工学を学んでいると、『反応率』『選択率』『収率』という用語が頻繁に登場します。

ですが、

『反応率と収率の違いが分からない』

『選択率って何を表しているの?』

『問題になると計算方法が分からない!』

と思っているのではないでしょうか?

反応率・選択率・収率は、それぞれの定義を理解すれば簡単に計算することが出来ます!

また、これら3つの値には、

「収率 = 反応率 × 選択率」

という重要な関係もあります。

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目次

【結論】反応率・選択率・収率の定義はこれだ!

まずは、結論から言うと、反応率(転化率)・選択率・収率の定義は以下の通りです。

反応における原料物質をAとすると、

・反応率(転化率)[%]=$\frac{Aの反応量}{Aの供給量}×100$

・選択率[%]=$\frac{目的物生成に対するAの反応量}{Aの反応量}×100$

・収率[%]=$\frac{目的物生成に対するAの反応量}{Aの供給量}×100$

・収率[%]=$\frac{反応率}{100}×\frac{選択率}{100}×100$

これらの定義を用いれば、反応率・選択率・収率を計算することが出来ます。

収率は反応率と選択率を用いても算出できることが出来るというのはポイントですね!

ここからは、これらについて1つずつ具体例を出しながら実際に計算していきます!

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① 反応率について

『反応率』とは?

反応率の定義は先ほど書いた通り、

$\frac{Aの反応量}{Aの供給量}×100$

より算出することが出来ます。

『反応率』という名称から分かるように、供給したAのうちどれほど反応したかを表す用語です。

これを文字を使用して書くと、

$\frac{n_{A0}-n_{A}}{n_{A0}}×100$

となります。ここでnA0はAの初期物質量、nAは反応後のAの物質量を表しています。

Aの反応量は上記の通り、初期物質量nA0と反応後の物質量nAの差で書けますね。

また、分子分母を体積で割ることで濃度でも表すことが出来、

$\frac{[A]_{0}-[A]}{[A]_{0}}×100$

となります。

ちなみに、上式を約分すると、

$(1-\frac{n_{A}}{n_{A0}})×100$

となりますが、これは(反応率)=1-(未反応率)を表しているとも言えますね。

自分が覚えやすい形で使ってみてください!

次は、実際にこの式を用いて具体的に『反応率』を計算していきます!

『反応率』の計算例

原料 A から目的生成物 C を合成する反応を行ったところ、副反応により副生成物 B も生成した (A → B or C)。

反応開始時には A を 2.0 mol 仕込み、B および C は存在しなかった。反応終了後、各成分の物質量を測定したところ、

nA=0.5 mol、nB=0.5 mol、nC=1.0 mol
であった。Aの反応率を求めよ。

上記の問題について、先の式に従い反応率を算出してみると、

$(反応率)=\frac{(Aの初期物質量)-(Aの反応後の物質量)}{(Aの初期物質量)}×100=\frac{2.0-0.5}{2.0}×100=75%$

より、75%と算出することが出来ます!

結論として、『反応率』とは供給したAのうちどれほど反応したかを表す用語です。

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②選択率について

『選択率』とは?

続いて、選択率について解説していきます!

選択率の定義は、

$\frac{目的物生成に対するAの反応量}{Aの反応量}×100$

であり、上式により算出することが出来ます。

ここでポイントは『目的物生成に対する』というところですね。

選択率を考えるのは、複数の生成物が得られるときです。

例えば、副生成物であるB目的物であるCがAから生成されるとき、Cがどれだけ『選択されるか』というのということです。

つまり、『目的物生成に対するAの反応量』というのは、この場合は『Aの反応量のうち、Cの生成に使われたAの反応量』というのを表しています。

『選択率』の計算例

先と問題設定は同様ですが、今度は『選択率』を算出する問題です。

原料 A から目的生成物 C を合成する反応を行ったところ、副反応により副生成物 B も生成した (A → B or C)。

反応開始時には A を 2.0 mol 仕込み、B および C は存在しなかった。反応終了後、各成分の物質量を測定したところ、

nA=0.5 mol、nB=0.5 mol、nC=1.0 mol
であった。目的生成物 C の選択率を求めよ。

上記の問題について、選択率を計算しましょう!

Aの反応量:nA0-nA=1.5 mol

A→B及びA→Cは1:1で反応・生成し、目的物はCなので、

目的物(=C)の生成に対するAの反応量:nC=1.0 mol

となります。したがって、

$(選択率)=\frac{1.0}{1.5}×100=66.7%$

より、67%と算出することが出来ます!

ちなみに、先の反応率を使うと$(Aの反応量)=(Aの供給量)×\frac{反応率}{100}$で表されるので、(反応率)=75%という結果を用いて、

$(選択率)=\frac{1.0}{2.0×0.75}×100=66.7%$

と算出することも出来ますよ!

実際に実験で有機反応をする際にも、目的反応(今回のA→C)だけでなく、他の反応(今回のA→B)が起こることがほとんどです。

なので、『選択率』の概念は非常に重要となります。

結論として、『選択率』とは、複数の生成物のうち目的物がどれほど選択されるかを表す用語となります。

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③収率について

『収率』とは?

最後に、収率について解説していきます。

収率という単語は一番馴染みが深い用語ではないでしょうか?

収率の定義について再掲すると、

収率[%]=$\frac{目的物生成に対するAの反応量}{Aの供給量}×100$

と表されます。

つまり、供給したAのうち、目的物の生成に使われたAがどれくらいかということです。

要するに、どれくらい目的物が得られるかを表す指標なので、『収率』と表現されます。

また、冒頭に書いた通り、収率は『反応率』『選択率』により、次のように計算することが出来ます。

・収率[%]=$\frac{反応率}{100}×\frac{選択率}{100}×100$

反応した割合と、生成物のうち目的物が生成された割合の積が収率になるということです。

確かに、これで収率を表すことが出来そうと納得できるのではないでしょうか?

では、実際にこれを具体例に落とし込んで計算してみましょう!

『収率』の計算例

こちらも先と同様の問題設定です。最後に目的物Cの収率を計算してみましょう!

原料 A から目的生成物 C を合成する反応を行ったところ、副反応により副生成物 B も生成した (A → B or C)。

反応開始時には A を 2.0 mol 仕込み、B および C は存在しなかった。反応終了後、各成分の物質量を測定したところ、

nA=0.5 mol、nB=0.5 mol、nC=1.0 mol
であった。目的生成物 C の収率を求めよ。

この場合、

Aの供給量:nA0=2.0 mol

目的物(=C)の生成に対するAの反応量:nC=1.0 mol

より、

$(収率)=\frac{1.0}{2.0}×100=50%$

と計算することが出来ます。

また、ここまでで算出した(反応率)と(選択率)の結果を用いて、(収率)を計算すると、

$(収率)=\frac{1.5}{2.0}×\frac{1.0}{1.5}×100=50%$

というように、同じ値になることが分かると思います。

結論として、『収率』とは、原料を供給してどれくらい目的物を得られるかを表す用語となります。

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応用例:エタノールの酸化反応

問題

応用例として、エタノールの酸化反応に関する問題を解いてみましょう!

エタノールはまずアセトアルデヒドに酸化され、さらに酸化されると酢酸になる。

CH3​CH2​OH→CH3​CHO→CH3​COOH

反応開始時にエタノールを 2.0 mol 仕込み、このときにアセトアルデヒドおよび酢酸は存在しなかった。

反応終了後の物質量を測定したところ、

物質物質量 (mol)
エタノール 0.5
アセトアルデヒド0.8
酢酸0.7

であった。

次の値を求めよ。

  1. エタノールの反応率
  2. 酢酸の選択率
  3. 酢酸の収率

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解答

1. エタノールの反応率

$(反応率)=\frac{2.0-0.5}{2.0}×100=75%$

より、75%である。

2. 酢酸の選択率

$(選択率)=\frac{0.7}{1.5}×100=46.7%$

より、47%である。

3. 酢酸の収率

$(反応率)=\frac{0.7}{2.0}×100=35%$

より、35%である。

別解)$(収率)=0.75×0.467×100=35.0%$

より、35%である。

別解からも、収率が反応率と選択率の積より計算できることが分かりますね!


最後に

いかがでしたか?

今回は「反応率・選択率・収率の違いと計算方法」について解説してきました。

今回の内容をまとめると、

①反応率は「供給した原料のうち、どれだけ反応したか」を表す

②選択率は「複数の生成物のうち、目的物がどれだけ選択されるか」を表す

③収率は「供給した原料のうち、どれだけ目的物になったか」を表す

④収率は「反応率 × 選択率」により求めることができる

⑤反応率が高くても、選択率が低ければ収率は高くならない

となります。

反応率・選択率・収率は、有機化学や化学工学だけでなく、大学院入試でも頻出の重要用語です。

それぞれの定義を正しく理解し、具体的な問題で計算できるようにしておきましょう!

ぜひ、参考にしてみてくださいね!

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この記事を書いた人

国立大学の化学科を首席で卒業!
現在はメーカー勤務の社会人です。
自身の経験を基に、勉強法や院試過去問解説などをしています!
詳しくはこちらのXから
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