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知らなきゃ損な使い方!ガチで使えるChemDrawの有用テク!

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突然ですが、

Chem Drawをもっとうまく使えるようになりたい!

より早くかつきれいに分子を描けるようになりたい!

と思っていませんか?

そんなあなたも、これを見ればChemDrawをより上手く活用できるようになるでしょう!

この記事では、ChemDrawで有用な機能(Tips)をご紹介していきます。

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目次

デフォルトから構造式スタイルを変更

構造式はやはり見た目よく描きたいものですよね。

簡単にきれいに描く方法として最も簡単なのが、『テンプレートを使用すること』です。

どういうことかというと、

まず『File→Open Style Sheets』と押してみてください。

そうすると、上の➂に示すように様々な『テンプレート』が出てきます。

これらを使用することによって、様々な学術論文に従った構造式を一瞬で描くことができます!

例えば、アデノシン三リン酸(ATP)の構造式をデフォルトACS(アメリカ化学会)で比較するとこんな感じ。

どうでしょう?

ACSスタイルの方がよりきれいに見えると感じるのではないでしょうか?

このACSスタイルは様々な場面で使用されているので、普段からこちらを使ってみることをおすすめします!

この他にも様々なテンプレートがあり、いくつかを一覧にしてみるとこのようになります。

意外と学術論文によって構造式の形式は異なります。

簡単に変更することが出来るので、いろいろ試してみるのも面白いかもしれませんね!

ですが、基本的には『ACS Document 1996』を選択することをおすすめします。

もし、ここから少し変更したいのであれば、『File→Document Setting』から変更することもできますよ!

個人的には、‘Line Width.’を変更して結合の太さをより太くすると少し見やすいかなと思います。

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ショートカットを有効活用

構造式を描くのって時間がかかりますよね。

特に大きい化合物ならば尚更。

そこで有用なのが、ショートカットキーです。

ショートカットキーの種類として、主に

➀ 原子を変更する

② 結合を変更する

の2種類があります。

これらを上手く使い分けられるようになれば、時間をグッと短縮できるようになります!

➀原子を変更する

カーソルを原子を変更したい箇所に置き、キーボードを押すと原子を変更することが出来ます!

例えば、ハロゲン原子にしたい場合は下記のようにショートカットキーを押せばよいです。

Clに変更したい場合のみ、‘Shift +c’を押す必要があることに注意が必要です。

ハロゲンは様々な化合物についており、多用するため、ぜひ覚えておきたいショートカットキーと言えるでしょう!

また、ハロゲン以外にも、ヘテロ化合物アルキル化合物もショートカットキーで簡単に構造式を描けます。

ぜひとも覚えておきたいのはこちらの通りです。

原子によっては‘Shift’を押さないといけないところに注意が必要ですね。

非常に使い勝手が良いので、ぜひ活用してみてください!

②結合を変更する

また、カーソルを結合に置くことでショートカットキーを用いて様々な『結合』を簡単に描くことが出来ます!

個人的にはこの機能が非常に便利に感じています。

例えば、‘2’‘3’を押すことで単結合が二重結合三重結合になります。

それ以外にも、‘4~8’を押すことでそれぞれ4員環から8員環を描くことが出来、‘9’‘0’を押すと異なる向きの椅子型シクロヘキサンを描けます!

また、‘a’を押すことでベンゼン環を簡単に描けることは1つの魅力と言えるでしょう。

そのほかにも、‘y’‘w’及び‘h’を押すことで波線立体化学を表す結合を描けるので非常に便利です。

これらを積極的に活用することで、大きな化合物でも非常に短時間で描くことができますよ!

この他にも、覚えておいてほしいショートカットキーとして、

・分子を選択した状態で’Ctrl + →’を押すと、簡単に反応を描ける

・Ctrl + zで1つ前に戻る (Word等も同様)

があります。

この2つもとても有用だと思うので、ぜひ覚えておきましょう!

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収率計算を簡単に

実は、ChemDrawを用いて収率計算をすることも出来ます!

まず、『View→Show Reaction Intereptation』を押すことでをつけてください。

そして、自分が行っている反応式を描きます。

今回は例として、ベンゼンの臭素化を考えてみましょう。

下記のように反応式を描きます。

そして、この反応を選択して『Structure→Analyze Stoichiometry』を押してみてください。

そうすることで、こちらのような表がでてきます!

ChemDrawには原子量が予め内蔵されているので、分子式を描くだけで勝手に分子量を計算してくれます。

ここで、『Limiting?』制限試薬を示しています。

表が出力される際、どれか1つの試薬が自動的に制限試薬に設定されます。

一般に、この反応の制限試薬はベンゼンとなるのでベンゼンが‘Yes’になっています。

もし、ここで制限試薬を変更したい場合は、‘No’をCtrlを押しながら選択して右クリックし、『Set Limiting』を押すことで変更できます!

続いて、例えばベンゼン1.00 mLを用いて反応させることを考えます。

そこで、‘Volume’に1.00 mL、’Density’に0.880 g/mL(この値はネットで検索します)を入力してみると…

このような感じで、反応する物質量や質量及び生成物の理想的な質量などを勝手に計算してくれます!

そして、実際に反応させた時に得られた生成物の質量を‘Measured Mass’に入力します。

例えば、今回は1.00 gと入力してみましょう。

入力してみると、このように収率が56.54 %という計算値を得ることが出来ました!

実験結果を報告する際は、『反応を描いて収率を示す』ということをよく行うと思います。

ChemDrawの機能を活用することによって、簡単に収率を計算することが出来るので、ぜひ積極的に使ってみてください!

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各分子のデータを出力する

ChemDrawには、様々な物性値を構造から計算して予測してくれる機能があります。

ここでは、

➀各種物性値の出力

②NMRの出力

についてご紹介します。

物性値の出力

物性値を得たい分子(今回は例としてブロモベンゼン)を選択して、『View→Show Chemical Windows』を押してみましょう。

そうすることで、上の画像の右のような物性値の一覧が出てきます。

例えば、この物性値で有用なのが沸点(Boiling Point)です。

精製方法の1つとして減圧蒸留を選択することはよくあるでしょう。

この際に沸点(Boiling Point)がある程度予測できていると非常にやりやすいため、ここで沸点を出しておくと便利です。

このように様々な物性値を算出してくれるので、適宜活用しながら実験に有効利用してみてください!

NMRの出力

物性値だけではなく、NMRを推算してくれる機能もあります。

例えば、安息香酸エチルのNMR(溶媒:CDCl3300 MHz)を予測してみましょう。

まず、NMRの溶媒や周波数は『File→Preferences→ChemNMR』から設定することが出来ます。

そして、安息香酸エチルを描き、それを選択して『Structure→Predict 1H NMR』を押してみましょう。

そうすることでこのようなNMRスペクトルを出力してくれます!

新規化合物の場合、NMRはインターネットで調べても出てこないでしょう。

そういった時に、この機能を有効活用すれば上手く反応が進行しているかどうか判断できるはずです!

非常に便利な機能なので、積極的に使っていきたい機能ですね!

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その他便利な機能

➀描画領域を大きくする

ChemDrawのデフォルトの設定だと、描画領域が非常に狭いんですよね。

様々な化合物を描いていると、はみ出してしまうこともしばしば。

そういった際にはぜひ描画領域を大きくしてみてください!

やり方は、『File→Document Setting→Layout』と進めて、‘Document Type’‘Poster’に変更。

そして、‘Height’‘Width’を適当な大きさに変更することで描画領域を大きくできます。

②構造式の形を整える

構造式を適当に描いていると、見た目が悪くなってしまうということが多々あります。

例えば、すごく適当にこのような化合物を描いてみたとします。

結合角もぐちゃぐちゃで見た目として非常に悪いですよね。

ChemDrawにはこのような構造式の見た目を整えてくれる機能が存在します!

整形したい構造式を選択して『Structure→Clean Up Structure』を押してみてください。

すると、

このように結合角等、見た目がきれいになるように構造式を整形してくれます!

➂配置を整える

ChemDrawでは、構造式の見た目を整えるだけではなく、配置も整えてくれます!

例としてこのような反応式を描いてみたとします。

間隔もバラバラで不格好な反応式に見えます。

そこで、該当する反応式を選択して『Object→Distribute→Horizontally』と押してみてください。

すると、

このように、間隔が均等になるように配置してくれます!

④構造式→名称 or 名称→構造式を出力

・構造式を描いたけど、この化合物の名称が分からない

・名称は分かるけど、どのような構造式をしているのか分からない

ということはありませんか?

ChemDrawの機能として、構造式から名称を出してくれたり、逆に名称から構造式を出してくれる機能があります。

具体的にはこんな感じ。

構造式を描いてそれを選択し、『Structure→Convert Structure to Name』を押すと名称を出してくれます。

逆に名称を書いてそれを選択し、『Structure→Convert Name to Structure』を押すと構造式を描いてくれます。

例えば、試薬を検索したいけど名称が分からない時とか、名称が分かる構造式を一瞬で描きたい時に役立ちます!

最後に

いかがでしたか?

今回は、ChemDrawを使う際に役立つ機能をいくつかご紹介してきました。

研究室に入ると構造式を描くことが多々あるはずです。

これらの機能を有効活用して、素早くかつきれいに構造式を描けるようにしましょう!

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この記事を書いた人

国立大学の化学科を首席で卒業!
現在は大学院で有機化学を専攻中です。
自身の経験を基に、勉強法や院試過去問解説などをしています!
詳しくはこちらのXから
https://x.com/percussion_lab

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