突然ですが、
アトキンス物理化学の解答・解説を知りたい!
演習問題の解答がどのようになるのか確かめたい!
と思っていませんか?
アトキンス物理化学は演習問題が沢山ありますが、解答書にも解答が記載されていない問題が沢山あるんですよね。
そこで、解答書には記載されていない演習問題の解説をしてみました!
この記事では、アトキンス物理化学(上)第10版5章A演習問題(b)の解答・解説をしていきます!
解答はアトキンス物理化学の解答書にも記載されていないので、これは筆者が求めた解答になります。計算ミスがあるかもしれないので、その点には注意してください!(計算ミスがあればご指摘いただければ幸いです。)

5章A
5A・1(b)
ある組成における成分Jの部分モル体積$V_J$は、
$V_{J}=\left(\dfrac{\partial V}{\partial n_{J}}\right) _{p,T,n’}$
で表されます。したがって、問題文の与式を微分して部分モル体積を求めましょう!
Aの部分モル体積について、与えられた多項式はAの物質量に依存しないので、Aの部分モル体積$V_{A}=0$となる。
続いて、Bの部分モル体積について、
$V_{B}=\left(\dfrac{\partial V}{\partial n_{B}}\right)=\left(\dfrac{\partial v}{\partial x}\right)$
$V_{B}=-22.5749+2\times0.56892x+3\times0.01023x^{2}+4\times0.00234x^{3}=0.00936x^{3}+0.03069x^{2}+1.13784x-22.5749$
より、$V_{B}=0.00936x^{3}+0.03069x^{2}+1.13784x-22.5749$となる。
5A・2(b)
塩を成分A、水(溶媒)を成分Bとすると、質量モル濃度は。
$b=\frac{b}{b^{o}}=\frac{n_{A}}{n_{B}M_{B}b^{o}}$
と書くことが出来ます。微分を組み合わせることによって、求めましょう!
Aの部分モル体積は、
$V_{A}=\left(\dfrac{\partial V}{\partial n_{A}}\right)=\left( \dfrac{d\nu }{dx}\right) \left( \dfrac{dV}{d\nu }\right) \left( \dfrac{\partial x}{\partial n_{A}}\right) _{n_{B}}$
と表すことが出来る。
したがって、
$V_{A}=(2\times34.69(x-0.070)\times\frac{1}{b^{o}}=69.38(x-0.070))\times\frac{1}{b^{o}}$
であり、$x=0.050$より$V_{A}=-1.4 cm^{3} mol^{-1}$
となる。また、Bの部分モル体積について、
$V=V_{A}n_{A}+V_{B}n_{B}$が成り立つことを用いて、$V_{B}=\frac{V-V_{A}n_{A}}{n_{B}}$となる。
ここで、与式を用いて$V=1001.21+34.69(0.050-0.070)^{2}=1001.224 cm^{3}$であるので、
$V_{B}=\frac{1001.224-(-1.3876)\times0.050}{55.51}=18.0$
より、$V_{B}=18 cm^{3} mol^{-1}$となる。
5A・3(b)
ギブズ-デュエムの式
$\sum _{J}n_{J}d\mu _{J}$
を用いて計算しましょう!
ギブズ-デュエムの式より、
$\delta\mu_{B}=-\frac{n_{A}}{n_{B}}\delta\mu_{A}=-0.22\times(-15)=3.3 J mol^{-1}$
より、$3.3 J mol^{-1}$となる。
5A・4(b)
隔壁の右と左に$100 kPa$の気体が封入されているので、隔壁をとったときに全体の圧力はボイルの法則より、$100 kPa$となります。
混合ギブズエネルギーは、
$\Delta{_{mix}G}=nRT(x_{A}lnx_{A}+x_{B}lnx_{B})=pV(x_{A}lnx_{A}+x_{B}lnx_{B})$
と表され、分圧を考えるとモル分率は同等となります。
このことを用いて計算しましょう!
ボイルの法則より、隔壁を外した時の容器の全圧は$100 kPa$である。
また、隔壁を取り外す前の左側と右側の圧力と体積は同様であるから、アルゴンとネオンのモル分率はともに0.50である。
したがって、混合ギブズエネルギーは、
$\Delta{_{mix}G}=nRT(x_{A}lnx_{A}+x_{B}lnx_{B})=pV(x_{A}lnx_{A}+x_{B}lnx_{B})$
$=1.0\times10^{5}\times2.5\times10^{-4}(0.50ln(0.50)+0.50ln(0.50))=-17.3 J$
より、$-17 J$となる。また、混合エントロピーは、
$\Delta{_{mix}S}=-\frac{\Delta{_{mix}G}}{T}=-\frac{-17.3}{273.15}=6.33\times10^{-2} J K^{-1}$
より、$6.3\times10^{-2} J K^{-1}$
となる。
5A・5(b)
複数気体の混合(モル)エントロピーは、
$-R\sum _{J}x_{J}\ln x_{J}$
と表すことが出来ます。
したがって、各気体のモル分率を計算し、そこから混合エントロピーを求めましょう!
空気100 gの物質量を求めると、
$n_{N2}=\frac{75.52}{28.014}=2.70 mol$
$n_{O2}=\frac{23.15}{31.999}=0.723 mol$
$n_{Ar}=\frac{1.28}{39.948}=0.0320 mol$
$n_{CO_{2}}=\frac{0.046}{44.009}=1.04\times10^{-3}$
となる。したがって、これらのモル分率を求めると、
$x_{N2}=0.781$、$x_{O2}=0.210$、$x_{Ar}=9.28\times10^{-3}$、$x_{CO_{2}}=3.03\times10^{-4}$
である。これより混合モルエントロピーは、
$\Delta{_{mix}S}=-8.314(0.781ln(0.781)+0.210ln(0.210)+9.28\times10^{-3}ln(9.28\times10^{-3})+3.03\times10^{-4}ln(3.03\times10^{-4})=-4.71 J K^{-1} mol^{-1}$
より、$-4.7 J K^{-1} mol^{-1}$
となる。
前問のエントロピーの値は、$-4.70 J K^{-1} mol^{-1}$であるから、そのずれは$0.01 J K^{-1} mol^{-1}$程度となる。
5A・6(b)
ラウールの法則より、
$p_{A}=x_{A}p_{A}*$かつ$p_{B}=x_{B}p_{B}$
が成り立つので、全圧Pは、
$P=p_{A}+p_{B}=x_{A}p_{A}*+x_{B}p_{B}*$
となる。したがって、蒸気のモル分率は(分圧)÷(全圧)で求められるので、ここから計算しましょう!
1,2-ジメチルベンゼンを成分A、1,3-ジメチルベンゼンを成分Bとする。
ラウールの法則より、
$p_{A}=x_{A}p_{A}=0.50\times20=10 kPa$
$p_{B}=x_{B}p_{B}=0.50\times18=9.0 kPa$
である。したがって、各成分の蒸気モル分率は、
$y _{A}=\frac{10}{19}=0.526$、$y_{B}=\frac{9.0}{19}=0.474$
より、1,2-ジメチルベンゼンが$0.53$、1,3-ジメチルベンゼンが$0.47$となる。
5A・7(b)
混合溶液の体積は、部分モル体積を用いて、
$V=n_{a}V_{A}+n_{B}V_{B}$
と表されます。部分モル体積は問題文中に記載されているので、各物質量を求めることを考えましょう!
この溶液の平均分子量は、
$M=241.1\times0.3713+198.2\times(1-0.3713)=214.13$
である。したがって、AとBの物質量は、
$n_{A}=0.3713\times\frac{1000}{214.13}=1.7340$、$n_{B}=0.6287\times\times\frac{1000}{214.13}=2.9361$
となる。よって、混合溶液の体積は、
$V=1.7340\times188.2+2.9361\times176.14=843.50 cm^{3}$
より、$843.5 cm^{3}$となる。
5A・8(b)
混合溶液の体積(重量)が条件として必要なので、ここでは$100 cm^{3}$として計算してみましょう!
溶液の体積を$100 cm^{3}$とする。
この時、密度より計算すると溶液の重量は$96.87 g$となる。
ここで、水の物質量$n_{W}$とエタノールの物質量$n_{E}$を計算すると、
$n_{W}=\frac{0.80\times96.87}{18.015}=4.302 mol$
$n_{E}=\frac{0.20\times96.87}{46.069}=0.4205 mol$
である。したがって、水の部分モル体積は、
$V_{W}=\frac{V-n_{E}V_{E}}{n_{W}}=\frac{100-0.4205\times52.2}{4.302}=18.14 cm^{3} mol^{-1}$
より、$18.1 cm^{3} mol^{-1}$となる。
5A・9(b)
ヘンリーの法則は、
$p_{B}=x_{B}K_{B}$
と表されるので、与えられた各値に対してヘンリーの法則の定数を算出しましょう!
それぞれの蒸気分圧を用いてヘンリーの法則の定数を算出すると、
$\frac{p_{B}}{x_{B}}=\frac{82.0}{0.010}=8.20\times10^{3} kPa$
$\frac{p_{B}}{x_{B}}=\frac{122.0}{0.015}=8.13\times10^{3} kPa$
$\frac{p_{B}}{x_{B}}=\frac{166.1}{0.020}=8.30\times10^{3} kPa$
となる。いずれもおおよそ値が一致しているので、ヘンリーの法則を満たしていると言える。
また、上記の計算結果より、ヘンリーの法則の定数の平均値を出すと$8.2\times10^{3} kPa$となる。
5A・10(b)
溶質の質量モル濃度$b_{B}$を用いて、
$p_{B}=b_{B}K_{B}$
と表されます。平衡定数は巻末のデータに記載されているので、これを用いましょう!
メタンのベンゼンの溶解に対するヘンリーの法則の定数は、$44.4\times10^{3} kPa kg mol^{-1}$であるから、ヘンリーの法則を用いて、メタンの質量モル濃度は、
$b_{M}=\frac{100 kPa}{44.4\times10{3} kPa kg mol^{-1}}=2.252\times10^{-3} mol kg^{-1}$
である。ベンゼンの密度は$879 kg cm^{-3}$であるから、これを用いてメタンのベンゼンへのモル溶解度は、
$2.252\times10^{-3}\times879=1.980 mol cm^{-3}$
より、$1.98 mol cm^{-3}$となる。
5A・11(b)
5A・10(b)と同様にヘンリーの法則を用いて計算しましょう!
空気中のN2とO2の分圧は、
$p_{N_{2}}=101.3\times0.78=79.0 kPa$
$p_{O_{2}}=101.3\times0.21=21.3 kPa$
である。水に対するヘンリーの法則の定数を用いて、それぞれの質量モル濃度は、
$b_{N_{2}}=\frac{79.0}{1.56\times10^{5}}=5.06\times10^{-4} mol kg{-1}$
$b_{O_{2}}=\frac{21.3}{7.92\times10^{4}}=2.69\times10^{-4} mol kg^{-1}$
より、$b_{N_{2}}=5.1\times10^{-4} mol kg^{-1}$、$b_{O_{2}}=2.7\times10^{-4} mol kg^{-1}$となる。
5A・12(b)
前問と同様に、ヘンリーの法則を用いて計算しましょう!
ヘンリーの法則より、
$b_{CO2}=\frac{2.0\times101.3 kPa}{30.1\times10^{3} kPa kg mol^{-1}}=6.73\times10^{-3} mol kg^{-1}$
水の密度を$1.0 kg dm^{-3}$とすると、ソーダ水のモル濃度は$6.7\times10^{-3} mol dm^{-3}$となる。
最後に
いかがでしたか?
今回は、アトキンス物理化学(上)第10版の5章A演習問題(b)の解答及び解説をしてきました。
演習問題を沢山解いてテストや院試で高得点を目指しましょう!
もし、この記事の人気があれば他の演習問題の解説・解答に関する記事も増やしていきたいと考えています!
ぜひ、参考にしてみてくださいね!

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